姉のとこの犬

私には姉がふたりいて二番目の姉のとこではトイプードルを飼っていた。私が子どもの頃うちで飼ってたのもトイプードルだった。

姉がトイプードルを飼うと言ったときは正直驚いた。私は犬も猫もそうとう好きだが飼いたく、ない。犬や猫のいる生活は楽しいに決まっている。でも、どうしても自分より先に死んでしまうからだめなんだ。(自分の目の前で自分がなんとかしなければ死んでしまうような状態は除く)

姉たちも同じ気持ちだと思っていた。
でも一番目の姉は結婚と共に義兄の連れ猫との生活が始まった。これはしょうがない。しょうがないというのも変だけど、自分も夫が猫や犬を飼っていたら一緒に暮らすようになるのは自然のことだからとむしろ喜んだと思う。不可抗力なのだからしょうがないと。

そうしたら二番目の姉のとこで犬を飼うことになった。ペットショップで出会ってしまったそうだ。出会ってしまったのならばしょうがない。それが我らの子供の頃飼ってた犬と同じ犬種であっても、しょうがない。

自分だけ、ずっとずっと、一緒に暮らした犬はあいつだけだ。

だから、同じ犬種でこんなに違う性格なのも初めて知った。違うというのは当たり前なんだけど。実感として姉の家に泊まったときに感じた。私のふとんに潜り込んできた姉の犬からは、懐かしさと寂しさと小さなあったかい生き物がそばにいる感覚がした。姉はあいつとは違う犬とこういう気持ちでいるんだなあと実感した。

その姉の犬が去年の秋に亡くなった。冬に姉妹三人で旅行したときに茶色いトイプードルの立体的な顔がついたスリッパを持ってきて「どっちか使ってくれない、まだ新しくて使ってないんだ」と。使えないんだよ。似てるから買ったのに、似てる本人(犬)が死んでしまったばかりでとても使えない。スマホの顔認証もできないぐらい泣いたって。スリッパは一番目の姉が受け取った。

これを聞いて自分は泣かないでいられて、やっぱり犬飼いたくない一緒に暮らしたくないと思った。高校生のときうちの犬が死んでしまったときの悲しさったらなかったから。姉の犬なら泣かないでいられる。寂しいけど、悲しいけど、死んじゃったことに冷静に対処できる。ぎゅううって気持ちになるけど、踏みとどまってしょうがない、先にいくのはしょうがないって思える。

2011年の12月、姉のとこに遊びに行ったときの写真にはロイズのチョコの家を甥っ子姪っ子と組み立てたけど恐怖の館のようになったのと、今はなき犬が写ってる。
北海道からお土産で持ってったロイズの家は見本はとっても可愛いけど、自由におおざっぱに作ったらだめだった。

おなか撫でてる

ガラケーで撮ったから少しの動きでぶれてしまう

寝てるね

肉球が香ばしそう

足の上にお座り ロイズのカタログ写ってる
ぐちゃぐちゃだ
味はおいしかったです
クリスマスツリーとぐちゃぐちゃのチョコの家

コメントを残す